はじめに

「ハーフカットって何?」そんな疑問をお持ちの初心者のから、

部品調達・購買担当の方、設計担当の方まで、すべての方に役立つハーフカット加工知識をまとめました。

この記事では、ハーフカット加工の基本から、特長や活用法をわかりやすく解説しています。

有恒商会では、工業用材料(不織布・ウレタン・ゴムスポンジ・フィルム等の粘着加工品)

ハーフカット加工を得意としています。

自動車・産業用機械・半導体・アパレル業界のお客様へ納入実績があります。

「工場ラインで粘着付きの製品を組み込む際、台紙から製品をめくる作業で手間取っている」

「製品組み込みにかかる時間を1秒でも短縮したい!」

という方は、「ハーフカット」という加工法があるということを知っていただき、

生産効率化の方法の1つとして活用してみませんか?

ハーフカットとは?

ハーフカットは、台紙(セパレーター)は残したままで、粘着付きの材料(フィルムや両面テープ等)を

カットする抜き加工です。

身近なものでいうと、ラベルシールやステッカーもハーフカット加工がされていることが多いです。

ちなみに、台紙(セパレーター)まで貫通する加工方法をフルカット(全抜き・打ち抜き)

といいます。

ハーフカットのシール

ハーフカットはどんな材料に対して可能?

基本的には、ハーフカットをする条件として

・粘着剤(糊引き・両面テープ)がついていること

・トムソン型(ビク型)で打ち抜ける厚み・柔らかさであること

が挙げられます。

硬い素材かつ厚みのあるものは、打ち抜く際にひび割れが発生してしまったり

そもそも打ち抜き加工ができない可能性がありますので、ハーフカットには向かないでしょう。

有恒商会では主に、工業用部品に使われる材料のハーフカットを得意としています。

・不織布

・フィルム

・スポンジ

・ゴムシート

・両面テープ

・ビニールテープ 

など各種シート材料のハーフカット加工の実績があります。

ハーフカットの主な方式について

一本刃方式


矩形(四角形)の製品を作る時には、機械に一本刃をセットして加工します。

指定の幅間隔で材料を送りながらハーフカットします。

機械でプログラムを組むことで、ハーフカットをする部分とシートカットをする部分を

切り分けることも可能です。

例えば、台紙ごと10ショットハーフ抜き後、1ショットはフルカットをしてシートカットすることで、

1列に10個の製品が並んだシートを作ることができます。

抜き型方式


四角形(矩形)の形以外の製品を製造する際には、機械に抜き型(ビク型・トムソン型)を取り付けて

ハーフカットをします。

内側に穴をあける形状の場合は、型を作る際に刃の高さを工夫することで、

内側はフルカット、外周はハーフカットの仕様にすることも可能です。

このような仕様にすることで、以下のメリットがあります。

内側の不要な部分(カス)を取る工数削減

・不要な部分(カス)の取り忘れを防止

実際に加工をする際には、お客様に頂いた図面や仕様をもとにベストな方式で製作いたします。

「現在、粘着付きでフルカットで作っている製品がはがしづらい」

「もっと作業効率を上げる仕様にならないかな・・・?」

とお考えの方は、一度有恒商会に相談してみませんか?

当社営業より、貴社の課題に合わせたご提案・お見積りさせていただきます。

ハーフカットの特長について

1.台紙から簡単にはがせる


フルカットの粘着付き製品を台紙からはがす際、

「製品の角をはがしたいのになかなかはがせない…」

と苦労したことはありませんか?

ハーフカットで製作すれば、製品の周りに台紙が残っており、

軽く折りながら簡単に剥がせるため、作業効率が上がります。

2.紛失のリスクが低くなる


ハーフカットは、1つのシートに複数の製品を付けることができるため、

「1つだけ無くなった!」ということが起こりづらいです。

紛失のリスクが軽減され、安心してお使いいただけます。

3.数量の管理がしやすい


製品の数を簡単に把握できるので、在庫や生産の管理が簡単になります。

例えば、1つの製品に両面テープを10個貼りたい場合・・・

1シート10個付のシートで両面テープ加工品を製作すると、貼り忘れを防ぐことができます。

代表的なハーフカット加工品事例について

有恒商会では、フィルム・スポンジ・ゴムシート・不織布など

様々な材料をハーフカット加工し、部品として様々なお客様へ納入しています。

ここでは、代表的な事例を紹介します。

スーパーシート H3(日本発条)+セパレーター

粘着付きウレタン発泡品をハーフカットした製品です。

内側の穴はフルカットとなっています。

向け先:自動車業界

目的:防水・緩衝

両面テープ No.5000NS(日東電工)+セパレーター

両面テープをセパレーターに貼り付け、指定形状にハーフカットした製品です。

仕様は内側の円はフルカット、外周はハーフカットしています。

こちらは特殊な仕様となっており、セパレーターはタブ付きの指定形状にカットしつつ、

セパレーターの下の両面テープは円形(画像の青色部分)にカットされています。

向け先:自動車業界

目的:ボルト穴用両面テープ

タブがあることで、指でつまみやすく、よりセパレーターからはがしやすくなっています。

手袋をつけて作業をしている時など、指先が動かしづらい状況でも

スムーズに作業ができる仕様となっています。

ゴア®ハイパーシート®ガスケット+両面テープ+セパレーター

ゴア®ハイパーシート®ガスケットと両面テープを貼り合せ、

ハーフカット加工をした製品です。

フッ素樹脂シートを指定の場所に固定して使いたいというご要望があり、製作しました。

向け先:半導体製造装置

おわりに

ハーフカット製品を活用することで、以下のメリットがあります。

1.台紙から製品をはがしやすくなることで作業効率UP

2.製品の紛失リスクを軽減

3.員数管理しやすく、組み込み忘れ防止

有恒商会では、自動車・産業用機械・半導体・アパレル業界など

様々な業界のお客様へハーフカット加工の部品納入実績があります。

「粘着付き製品の貼り付け作業を効率化したい」

「員数管理が大変で時間がかかっている・・・」

という方は、ハーフカット製品の活用で、生産の効率化に取り組んでみませんか?

有恒商会の営業よりご提案・お見積りさせていただきますので、

ぜひお気軽にお声掛けください。