機械を設計する際や部品を選定する際、どのように選べばいいのか困ったことはありませんか?


特にフッ素樹脂の分野では、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)と

PFA(パーフルオロアルコキシアルカン)がよく比較されます。

PTFEとPFAの違いを理解し、最適な材料を選ぶことで、部品製作の際、

コスト削減に繋がることもあります。

この記事では、これらの材料の特性を詳しく解説し、

当社に実際にご相談のあった事例も紹介しています。
設計や選定において手助けとなれば幸いです。

PTFEとPFAの開発経緯

フッ素樹脂として最初に発見されたのがPTFEです。

優れた耐熱性、耐薬品性、非粘着性で注目を集めたものの、最大の課題はその加工性にありました。

熱可塑性でありながらも、高い溶融温度と粘度のため、従来の加工方法では制約が多かったのです。

そこで、改良を重ねた結果、FEP(フルオロエチレンプロピレン)が1960年に、

ETFE(エチレンテトラフルオロエチレン)が1970年に開発されました。

そして、さらに改良を加えたPFAが1972年に誕生し、

PTFEの耐熱性と耐薬品性を維持しつつ、溶融粘度を低くすることに成功しました。

これにより、PFAは従来の熱可塑性樹脂のように加工ができるようになりました。

PTFE(ポリテトラフルオロエチレン) とは?

PTFEは、最も一般的に知られているフッ素樹脂で、「テフロン」としても知られています。

(テフロンはデュポン社の商標名です)

特徴:

  • 高い耐熱性:PTFEは最高260℃までの温度に耐えることができます。
  • 低摩擦係数:非常に滑らかな表面を持ち、他の材料との摩擦が最小限です。
  • 耐薬品性:ほとんどの化学物質に対して非常に高い耐薬品性を持っています。

PFA(ペルフルオロアルコキシアルカン)とは?

PFAは、PTFE同等の耐熱性・耐薬品性を持ちながら、さらに加工性に優れています。

特徴:

  • 加工性:PTFEよりもPFAの方が、加熱時により流動性があり、成形や押し出しが容易です。
  • 透明性PFAは透明で、光学的な用途や液体の流れを確認したい場合に適しています。

PTFEとPFA、どちらを選べばいいの?

選択する際の基準として、以下の点を考慮すると良いでしょう。

加工性

PTFEの成形方法は主に圧縮成形と押出し成形が一般的なため、

シートや丸棒、板材に加工したものをカットしたり、切削加工したりするのが一般的です。

一方、PFAはその流動性の高さから射出成形ブロー成形が可能です。

PTFEの成形品はサインタリング(焼成)のプロセスが必要ですが、PFAはこのプロセスが不要です。

PFAは加熱時の流動性が高いため、複雑な形状の成形や薄いフィルムの製造が容易です。

透明性

液体の流れや内容物を確認したい場合、PFAが適しています。

コスト

用途や必要な特性に応じて、コスト効率を考慮して選択します。

PTFE PFA 加工品

よくあるご相談・提案事例

Q.機械にフッ素樹脂製チューブを組み込みたいのですが、

 PTFEチューブ・PFAチューブのどちらを使ったらよいのでしょうか?

A.チューブの中を通過する液体を見えるようにしたい場合は

 透明性の高いPFAチューブがおすすめです。

PTFEチューブ:乳白色なのに対して、PFAチューブ:透明です。

▼PFAチューブについてもっと知りたい方はこちら!

▼半導体業界向けフッ素樹脂部品提案事例を知りたい方はこちら!

Q.特殊サイズのPFAチューブの曲げ加工品が必要なのですが、対応可能な加工先が見つかりません。

  有恒商会では加工も含めてお願いできますか?

PFAコイルチューブイメージ

A.もちろん可能です!

 フッ素樹脂メーカー複数社と取引があり、迅速な材料調達と加工には自信があります。

 指定形状への加工やコイル巻き加工の実績もございますので、

 「加工が難しく、他の加工屋さんで断られてしまった・・・」

とあきらめる前に一度ご相談いただければ幸いです。

▼ フッ素樹脂丸棒の在庫品取り扱いもはじめました!

Q.厚み1㎜のフッ素樹脂のパッキンが欲しいのですが、PTFE・PFAのどちらを選んだらよいですか?

A.一般的にシート材料が安価なのはPTFEですので、特別な事情がない限りはPTFEをおすすめします。
  粗面のフランジで流体の漏れが気になる場合は
 多孔質で柔らかく、追従性のあるゴア®ハイパーシート®ガスケットもおすすめです。

▼ ゴア®ハイパーシート®ガスケットについてもっと知りたい方はこちら!

Q.ベローズ形状のフッ素樹脂加工部品が欲しいのですが、PTFE・PFAのどちらを選んだらよいですか?

PTFE切削ベローズ

A.ロットや仕上がり加工公差によってどちらを選ぶか変わってきます。
  例えば、ロットが数個かつスポットでの依頼であれば、
  材料が比較的安価なPTFEの切削加工品をご提案します。


逆に、ある程度まとまった数量がコンスタントに出る場合は、
PFAの射出成型をご提案することもあります。
金型製作が必要ですので、イニシャルコストはかかるものの、
加工費がぐっと抑えられるため、トータルコストは安価になる可能性
があります。

「じゃあ、切削加工と射出成型ではどの位のコストメリットがあるの?」

「うちで使ってる部品、もう少しコストダウン出来ないかな?」

と思った方は有恒商会に相談してみませんか?

すぐに営業からのご提案、お見積り対応をさせていただきます!

おわりに

PTFEとPFAは似たような特性を持ちながら、加工性や透明性などの違いがあります。

それぞれの用途や条件に応じて、最適な材料を選ぶことが重要です。

「違いはわかったけれど、実際自社の今の状況ではどちらが最適なのかわからない」

「早急に組み込みたいので、専門の人に相談したい」

「実際に作ったとき、どのくらいの価格になるか知りたい」

というお客様は有恒商会にご相談ください!

当社営業よりすぐに回答させていただきます。